Cinema4Dでダイナミクスを使ってみる。

今回はCinema4Dのダイナミクスについて書きたいと思います。
初心者向けです。
玄人さんはそっとブラウザを閉じて下さい(笑)

ダイナミクスって何?

ダイナミクスとは、
Cinema4DのBroadcastバージョンstudioバージョンで使える機能で、
これを設定すると配置したオブジェクトがぶつかりあったり、重力で落ちるようになります。

※Broadcast版はMographオブジェクトのみにダイナミクスを適用出来ます。
今回の説明はStudioユーザー向けとなっておりますのでご了承下さい。
ちなみに、無償学生バージョンはStudio版と同様です。

今回はボウルに無数の球が落ちて溜まっていく、こんなシンプルな動画を作ります。

ボウルを作る

まずは球を受け止めるボウルを作ります。
球体オブジェクトを読み込み、

属性マネージャ→オブジェクト→タイプを『半球』に変えます。

更に、座標のPの値を-180にして、向きを変えます。

これをお皿のボウルとします。名前も『ボウル』にしておきましょう。

落下する無数の球を作る。

次は落ちてくる無数の球です。

UI画面上の真ん中辺り、
シミュレート→パーティクル→エミッタをクリックして、エミッタを配置します。

エミッタが何かといいますと、パーティクルの発生源です。
パーティクルが何かといいますと、エミッタから放出されるものです。

再生すると、エミッタから小さな線が飛んでいくのが分かりますね。
次に、この「パーティクル」を「球体」に変えます。

その為に、新しい球体オブジェクトを配置します。
それをエミッタの中にドラッグ&ドロップで入れて、子にします。

小さな球体にしたいので、属性マネージャ→オブジェクト→半径の値を操作します。
今回は5cmにします。

エミッタを選択した状態で、
属性マネージャ→パーティクルをクリックします。
『エディタにオブジェクトを表示』にチェックを付けます。

そうするとエミッタから飛ぶ、小さな線が球体に変わります。

次に、この飛んでいく球体をボウルの中に落としていきたいので、エミッタの位置と角度を変えます。

エミッタを選択し、座標→Pの値を-90にします。
更に位置のYの値を上げて、ボウルの上に持っていきます。

これで落ちてくる無数の球が出来ました。

再生と調整

再生してみると、小さな球はボウルを突き抜けていきます。

これは、まだダイナミクスが無いので
球とボウルは目に見えてもお互いの存在を認識出来ていないのです。

さて、
ダイナミクスを設定する前に、まずは分かりやすくする為にフレーム数を伸ばしておきましょう。
画面中央下辺りのバーの「90F」を「200F」にします。動画の再生時間を伸ばすという事です。

更に、落ちてくる小さな球に色を付けます。

UI画面左下マテリアルマネージャをダブルクリックします。
新しいマテリアルが出来るので、カラーを赤くします。
それをエミッタにドラッグ&ドロップします。

これで小さな球体が赤い球になりました。名前も『赤球』に変更しておきましょう。

以後、小さな球体を赤球と呼びます。

ダイナミクスを付ける

ここからがやっと本題です。
ダイナミクスを設定します。
エミッタとボウルを選択し、マウスの右クリック→シミュレーションタグ→リジットボディをクリックします。

タグがついたのが分かると思います。

早速再生すると…
なんと赤球と一緒にボウルまで落下していきます。

ボウルはそのまま動かなくてでいいんだよ!

…という事で、ボウルのリジットボディタグを選択し、属性マネージャ→ダイナミクスボディ→ダイナミクスをオフにします。

オフにするならリジットボディタグをつけなきゃいいじゃん!?…と思うかもしれませんが、
赤球とボウルが互いを認識し、ぶつかり合うにはリジットボディタグが必要なのです。

これで再生してみると、
ボウルは落ちませんが、エミッタ自体が落ちてきて変な動きをします。

エミッタのリジットボディタグを選択し、属性マネージャ→衝突判定→個別エレメント→『オフ』を『全て』に変更します。

これで再生してみると、ひとまずボウルに赤球が当たって跳ねるようになります。

理想に近づきましたが、まるでボウルに透明のサランラップでも貼ってある様に、ボウル内部に赤球は入ってくれません。
設定を変えます。

ボウルのリジットボディタグを選択し、
属性マネージャ→衝突判定→形状→『自動』を『固定メッシュ』にします。

再生すると、やりました!

ボウルに赤球が溜まっていきます。

冒頭の映像には、ボウルにもマテリアルを付けていたり、空にフィジカルスカイを設定してありますが、
今回はダイナミクスの解説なので省きます。好みで設定してください。

赤球の一部がボウルを突き抜ける?

これで完成!
…でも良いのですが
状況次第でダイナミクスを付けていてもなお、以下のようにボウルを突き抜けていく赤球があったりします。

いやいや、そんな事は起きないぜ!

って方は、
エミッタを選択し、属性マネージャ→パーティクル→エディタでの出現率とレンダリングでの出現率を4倍の40に設定し、

同じく属性マネージャ→エミッタ→x方向の大きさとY方向の大きさを100から10にしてみて下さい。

これはつまり、より小さな空間から多くの赤球が出てくる様に変更したわけです。

更に、このままではボウルが小さすぎて受け止められないので、
ボウルを選択し、属性マネージャ→オブジェクト→半径を倍の200cmにします。

すると、どうでしょう?
一つぐらい突き抜ける赤球が生まれたと思います。

本来は起こらないハズなのですが、
計算が追いつかないからなのか、こういった現象が発生します。
今回のケースに限らず、
ダイナミクスを使うとオブジェクトがめり込んだり突き抜けたりはわりとあります。
これを防ぐにはどうしたら良いか。

…実は、Cinema4Dを使いはじめて5年経っているのに、最近はじめて知りました。
ちゃんと調整出来たのですね。

UI画面左上の編集→プロジェクト設定をクリックします。

属性マネージャの表示がプロジェクト設定に変わっているので、

ダイナミクス→詳細→衝突判定のマージン
この値を1cmから2cmにします。

再生してみると…突き抜ける赤球がなくなりました!
「フレームあたりのステップ数」の値を5から6に上げるのも効果があります。

この2つの値を任意に上げる事で、突き抜けるのを防げます。
ただしその分、負荷がかかるみたいで動きが重くなる可能性もあるのでご注意下さい。

ちなみにこの回避方法は、
Cinema4Dの映像講座を販売している、
映像制作会社CUBELiC佐々木様に教えて貰いました。

CUBELiCとは?

CUBELiCはCinema4DやAfetrEffectsの映像講座を販売しているサイトです。
とはいえ、無償のチュートリアルも多く載せてくれています。
気になった方は是非アクセスしてみて下さい。

こちら

映像講座自体も年に何度か半額セールがあるので、
本気で学びたい方にとって習得の近道になると思います。

分からない事があれば質問も出来ますし、丁寧に説明して貰えます。
私はAfterEffectsもCinema4Dも独学なので、
困った時に聞ける相手が出来た時はとても頼もしく思えました。

冨士様からのアドバイス(9月16日追記)

ツイッターで冨士俊雄様よりアドバイスを頂けたので、追記します。

今回の私の場合は「衝突判定のマージン」の値を上げても解決したのですが、
冨士様によりますと、「フレームあたりのステップ数」の値を上げるのが基本との事です。

ちなみに、ツイート内の「サイズの増分」の値はこちらにあります。

冨士様は尊敬するCinema4Dアーティストの一人で、私は本も持っています!

アドバイスを頂けて大変嬉しかったです!

今回もどなたかの参考になれば幸いです。

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Cinema4Dでダイナミクスを使ってみる。” に対して1件のコメントがあります。

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