ClipStudioPaintの自動彩色機能を使ってみる。

ClipStudioPaintバージョン1.8.4の
「自動彩色機能」を使ってみました。

…といっても現在この機能は「先行プレビュー版」なので
正式版だともっとよくなるのかも!?しれません。

最初に

今回は作例用にCinema4Dから書き出した背景線画を使いました。
3Dモデルをレンダリングした画像になります。

今はもう、パソコンが自動で線画を作って自動で着色してくれるんですね…
すごいっ!…けど怖い!(笑)

ちなみに、Cinama4Dを使った線画書き出しの方法
こちら→
で解説しています。

「自動彩色機能」の基本的な使い方

画面右下のレイヤーを扱うウィンドウをご覧下さい。

まず、
「線画」
「色」
「真っ白に塗りつぶしたレイヤー」(デフォルトの用紙)
の三つのレイヤー構成にします。

線画は線画、色は色でそれぞれ一つのレイヤーにまとめておきましょう。

色レイヤーにはザックリと指定用の色を塗ってあります。

線画を選択したまま、灯台の様なアイコンをクリックして
「参照レイヤーに設定」します。

「色」のレイヤーを選択した状態で、

画面左上の「編集」→「自動彩色」→「ヒント画像を使って彩色」をクリックします。

指定した色を参考に、自動彩色が行われます。

私の環境ではほとんど待ち時間がなく、パッと色が付きました。
ちなみに、ネット接続がないと使えません。

各モードの違い

全自動彩色…線画のみから自動着色します。

・ヒント画像を使って彩色…前述のものです。

・より高度な設定を使用「色分解して彩色する」機能と「ヒントのない領域も彩色する」の
パラメーターやグラフを調整して彩色設定します。

「全自動彩色」は、やはり理想通りに彩色してもらうのは難しい印象です。
「より高度な設定を使用」は10色までの色をグラフで設定したり、
ぼかし強度や精度、主線除去など値を打ち込んで反映させることが出来ますが、
少々動作が重い印象です。

個人的には「ヒント画像を使って彩色」を使って、
そのあとで自分で調整するのが効率が良いと感じました。

「自動彩色機能」で出来た色レイヤーを調整する。

「自動彩色機能」で出来た色は若干くすんでいたり、淡かったりします。
現状が理想通りの色味であればそれでよいのですが、私は自分の好みに合わせて調整しました。
簡単ではありますが、ここでは「ヒント画像を使って彩色」した色の調整をやってみます。

書き出された「色」レイヤーを複製して、3つ同じレイヤーを重ねた状態にします。

上から
・線画
・色3(オーバーレイ)
・色2(乗算)
・色1(通常)
といった具合です。

色123のレイヤーのモードを上記の様に変えて、
各レイヤーの不透明度を調整します。
「乗算のレイヤー」で全体の濃さを、
「オーバーレイ」のレイヤーで明暗の強弱を付けます。

結果、こんな感じになりました。

線画の不透明度を下げてみる

更に、線画の不透明度を下げてみます。
彩色のクオリティが結構高いのが分かると思います。
このまま絵本とかにも使えるかも!?
…というわけで、ちょっと適当な文字を打ってみました(笑)

人物や文字に使ってみる

次は人物と文字に使ってみました。

ちなみにこのキャラクターは
「はじめてのCinema4D 改定第2版」という、3Dソフト解説本
キャラクターモデリングの章に登場する女の子です。
ありがたい事にキャラクターデザインを担当させて頂きました!
今回はこの線画を使って試してみようと思います。

最初に「ヒント画像を使って彩色」で出来たものがこちら。

全体的に淡いですね。
また、いくつか問題があります。

・腰と左腕の間の空間にも色を塗られてしまっている。
・人物や文字の周りに色がはみ出ている。
・肌色と白目の境界が曖昧になっている。
・首元が衣装の色と混ざってしまっている。

不要な部分は消し、違和感のある部分は塗り足して直します。
更に、背景でも行った「調整」を施したものがこちらです。

わりといい感じになったのではないでしょうか?
もう一歩進めてみましょう。

線画レイヤーを右クリックして
「レイヤーから選択範囲」を選び、
塗りつぶしで茶色の線画にします。
茶色の線画の不透明度を下げたりすると
自動彩色機能の淡い雰囲気とマッチするかもしれません。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
「自動彩色機能」は、ClipStudioPaintだけの機能ではなく、
ネット上には他のサービスもあります。
結果はサービスごとに変わるので、
興味のある方は調べて試してみると良いと思います。

しかし…これからどうなっちゃうんでしょうね。
広告関係のお仕事は「彩色専門スタッフ」がいたりもするのですが、
この機能が進化していくと、遠くない未来
「自動彩色したものを調整するスタッフ」が求められるようになる気もします。

いつかは
「AIがクリエイターを補助する」というより、
「クリエイターがAIの補助をする」という構図に
なっていってしまう…のかもしれません。

どなたかの参考になりましたら、嬉しいです。

映像、イラスト、漫画、コンテなどの制作、画像加工を承っております!→こちら

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)