MV「シューティングスター」のメイキングその2

前回に引き続き、マリオ・デモンズさんのMV
「シューティングスター」のメイキング記事です。

前回はFuseでマリオ・デモンズさんっぽい人をつくり、
Mixamoでダンスのアニメーションを付けて、Cinema4Dに読み込むところまで解説しました。

今回はリアルな見た目のマリオさんを、
MVの様にシンプルな見た目にして、服装を一部変更するまでを解説します。

※基本的に初心者向けの内容です。

はじめに

今回は「Cinema4D」での操作が中心です。

「そんなの持ってないよ!」という方もいるかと思いますが、
Cinema4Dは学生さんや教員の方は無償で使えますので、よかったらこの機会に使い始めてみて下さい。
無償で使う方法は下記サイトをご参照下さい。
http://www.cinema4d-student.jp/

また、以降の説明はCinema4Dのstudioバージョン(最上位バージョン)で行っていますが、
今回の記事の内容はprimeバージョン(廉価版バージョン)でも出来ると思います。

オブジェクトの表示と非表示

それでは、
前回、Mixamo経由で制作したダンスアニメーションのFBXを読み込んだところから再開します。

まずは上記画像のように、人物に重なっているボーン(白い線)があると見づらいので
一度ボーンを非表示にします。

画面右上のオブジェクトマネージャーにある、
「Maximorig:Hips」というオブジェクトがボーンです。

オブジェクトの右には小さな丸が二つ、縦に並んでいるのが確認できます。

その小さな丸を一度クリックすると無色から緑色に、再度クリックすると赤色になります。
赤色にするとそのオブジェクトの表示が消えますので、これで一時的に非表示にしておけます。
赤色から再度クリックすると無色に戻り、オブジェクトが表示されます。

ちなみに、上の丸はプレビュー時に表示するかどうか、下の丸はレンダリング時に表示するかどうかの設定です。

ライトを作る

次にライトを作ります。
ライトは画面上部の真ん中にある電球のアイコンをクリックすると配置されます。

※今回、ライトの位置は無関係なので初期位置のままで大丈夫です。

次にライトを選んだまま、画面右下のウィンドウを見てください。
そこからライトの設定ができるので、
「一般」のタブをクリックして
「環境照明」にチェックを入れます。

すると、このように陰影が消えてペタンとした見た目になります。

マテリアルを作る

次はマテリアルの作成です。

まずマテリアルとは何か?と言いますと、
画面左下の「マテリアルマネージャー」に並んでいる球体の事です。

また、画面右上の「オブジェクトマネージャー」に並んでいる球体も同じマテリアルです。

左下の「マテリアルマネージャー」でマテリアルを作って、
オブジェクトに適用させると、右上の「オブジェクトマネージャー」にどのマテリアルが使われているか表示されるんですね。

つまり現在、既にマテリアルが6種類作られていて、8つのオブジェクトに適用されているという状態です。
今回は新しく7種類のマテリアルを作って、元々適用されている右上のオブジェクトマネージャーのマテリアルに上書きしていきます。

では、マテリアルを作っていきます。
画面左下のマテリアルマネージャーをダブルクリックすると、新しくマテリアルが作られます。

「カラー」のタブをクリックして、色を指定する長方形をダブルクリック。
ひとまず肌の色を作りましょう。

次に、よりシンプルな表示にするためにマテリアルの「反射」のチェックを外します。

右上のオブジェクトマネージャーの
「Body」につけられたマテリアルに、新たに作った肌色のマテリアルをドラッグ&ドロップすると、
マテリアルが上書きされて肌の色が変わります。

後は、必要なパーツ分のマテリアルを作って同様に上書きして行きましょう。
各マテリアルは、それぞれ上書きするマテリアルと同じ名前に変えておくと分かりやすいと思います。

「身体(Body)」、「髪の毛(Hair)」、「上着(Tops)」、「ズボン(Bottom)」、「目(Eyes)」、「帽子(Hats)」
「靴(Shoes)」の合計7つのマテリアルを作りますが、
オブジェクトマネージャーにある、「default」というマテリアルは元のままでOKです。

ちなみに元のマテリアル6種類から7種類に数が増えたのは、重複して使うマテリアルの数が変わるからです。
繰り返しとなりますが、それぞれのマテリアルの反射のチェックも外しておいてください。

それぞれのマテリアルを上書きして配置すると、人物の見た目はこうなります。

ここまで出来たらほぼ完成ですが、
マリオさんは左腕にアームカバーを付けており、
帽子も黒字に前面のみ白いカラーのものを被っています。
なので、それを再現します。

ポリゴンに選択範囲をつくる。

服装の一部の色を変える方法は他にもあるのですが、
今回は選択範囲を作り、そこにマテリアルを追加する形で再現します。

まずは帽子から。
考え方としましては、黒い帽子の一部に白を加える…という感じです。
その為には、白い部分はどこからどこまでの範囲なのか?という設定を作らなければなりません。

帽子以外のオブジェクトがあっては見えづらいので、
冒頭で説明したやり方で、帽子(Hats)以外のオブジェクトの表示を非表示にしてしまいましょう。

次に、画面左端に縦にアイコンがいくつも並んでいますので、
その真ん中あたりの「ポリゴンモードを使用(天板がオレンジの立方体のアイコン)」をクリックします。
次に画面上の「ライブ選択(円に矢印が入ったアイコン)」をクリックします。

帽子の前面部分だけ選択したいので、
ライブ選択ツールでなぞって以下の画像の様に帽子(Hats)を選択します。

追加で選択したい場合はshiftキーを押しながらなぞります。
一部選択から外したい場合はctrlキーを押しながらなぞって選択していきます。

さて、帽子を前から見ておかしくなかったら
altキーを押しながらマウスを動かして、視点を変えて帽子を裏側から見てみましょう。

裏側がもしこうなっていたら、修正しましょう。

キレイに選択出来ました。

次に、画面左上のメニュー「選択」をクリックして、
現れた一覧から「選択範囲を記録」をクリックします。

そうすると帽子(Hats)のオブジェクトの右側にオレンジの三角形のアイコンが出来ます。

この「オレンジの三角形の記号」こそが、白い部分はどこからどこまでの範囲なのか?を示す選択範囲で、
名前を「ポリゴン選択範囲タグ」と言います。

帽子の選択範囲にマテリアルを適用させる。

続いて、この選択範囲に白い色をつけていきます。

画面左下のマテリアルマネージャーをダブルクリックして、新しいマテリアルを作ります。
マテリアルのカラーを白にして、反射のチェックを外してHatsのオブジェクトに追加します。
※Hatsのマテリアルではなく、文字にドラッグ&ドロップして追加して下さい。
マテリアルにドラッグ&ドロップすると、上書きしてしまうからです。

すると…

なんという事でしょう!
真っ黒な帽子が真っ白になってしまいました。
これでは選択範囲を作った意味がありません!

…という事で、帽子のオブジェクトに適用させた、白いマテリアルをクリックします。

右下のウィンドウの「タグ」の中に「選択範囲に限定」という欄がありますので、
そちらに先程作った「ポリゴン選択範囲タグ(オレンジの三角形)」をドラッグ&ドロップします。

すると、帽子の前面部分のみが真っ白に出来ました!

これで帽子は完成です。

左腕にアームカバーを付ける。

さて、次は左腕にアームカバーを着けます。
と言っても、今回は記号的なキャラクターなので、
左腕の肌の色の一部をアームカバーの色に変えてしまって完了とします。

帽子の時と同じ様に、
「Body」以外の表示を非表示にして、
左腕の任意の場所に選択範囲を作ります。

この時、ライブ選択ツールを選んだ状態
画面右下の「オプション」のタグで
「可視エレメントのみ選択」のチェックを外してから選択してみましょう。

ライブ選択の後、視点を回転させてみると自動的に裏側も選択されています

「可視エレメントのみ選択」とは、読んで字のごとく
「見える要素だけ選択するよ!」って事なのですね。
このチェックを外して選択したので、見えない部分までまとめて選択してくれたわけです。便利!

後は同様に、アームカバー用の黒っぽいマテリアルを作り…

そのマテリアルを「Body」オブジェクトの文字にドラッグ&ドロップしてマテリアルを追加します。

帽子と同様に画面左上のメニュー「選択」から「選択範囲を記録」した後、
出来た「ポリゴン選択範囲タグ(オレンジの三角形)」をアームカバー用のマテリアルの
「タグ」→「選択範囲に限定」にドラッグ&ドロップします。

これでアームカバーも出来ました。

完成です!

FuseとMixamoを使って用意した、他のモデルも同じ方法でシンプルな見た目にしていきましょう。

次回はMixamoでつけたアニメーションを、繰り返し設定させてモデルを踊らせ続けたり
周囲の建物や車を並べたり、無数の観客を大量に配置させたり…を解説したいと思います。

しかし、今回MVのメイキングをなるべく分かりやすく作ろう!としましたが、
難しいですね…精進します(笑)

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