MV「シューティングスター」のメイキングその4

「シューティングスター」のMVメイキング記事四回目。最終回です。

今回は周囲に建物や車、空を配置していきます。今回も初心者向けの内容です。

メイキング記事の

1回目はこちら
2回目はこちら
3回目はこちら

建物を並べる

まずは建物を並べていきます。
しかし、その前に並べる建物のモデルを用意しなければなりません。
1からモデリングしていっても良いのですがさすがに長くなってしまうので、今回は

・無償モデルをDLして利用する
・有料モデルを購入して利用する
・Cinema4Dに最初から入っているモデルを利用する

といった方法で用意したいと思います。

無償モデルをDLして利用する

無料で公開されているモデルをDLしてきましょう。
有名どころで無償のビル素材がDL出来るサイトをいくつか紹介します。

・sharecg
https://www.sharecg.com/

・Sketchfab
https://sketchfab.com/

・Daz3D
https://www.daz3d.com/

基本的にどのサイトも
「ユーザーネーム」「メールアドレス」「パスワード」を決めてアカウントを作り、
受け取った自動送信メール記載の
「アカウントを有効にするボタンやリンク」をクリックしてアカウント登録します。

sharecgは全て無償、
Sketchfabは有料素材もあります。
Daz3Dは有料素材の方がメインです。

Daz3Dはこの未来都市パックなど重宝しそうですね。(2018年3月14日現在は無料素材)
https://www.daz3d.com/dystopia-city-blocks-001-010-lwo
Daz3Dの利用方法は割愛しますが、よく調べてご利用ください。

※無償素材は、一応ダウンロード後にウィルスチェックをしてから開きましょう。
※有料素材を購入するにはクレジットカードの登録やPayPalアカウントが必要になります。

Sketchfabはダウンロードが許可されているものとされていないものがあります。

上記画面左下の「DOWNLOAD」をクリックした後、現れたウィンドウで再度「DOWNLOAD」をクリックします。

無料というと
「貰っておこう!」と思うかもしれませんが、
投稿者やアイテムによっては商用利用は禁止されていたり用途に制限があったり
作ったモデルを見て貰いたいだけで二次利用自体を考慮していないものもあります。

制作者の意思が記載されていない場合もあるので、
勝手に都合よく解釈して自分の作品に利用すると、後から問題になる可能性もあります。

素材一つ一つを使用する度に確認して使うのは大変なので、
気兼ねなく使える有料の素材を買ってしまった方が楽かもしれません。

有料モデルを購入して利用する

有料のビル群素材だと
VIDEO COPILOTメトロポリタンが有名です。

https://www.videocopilot.net/products/3d/metropolitan/

AfterEffects(以下Ae)用のプラグイン、「Element3D」向けのモデル素材として販売されていますが、Cinema4Dでも使えます

124ドル(2018年3月14日時点で約13000円)です。
MVで私がメインで使っているのもメトロポリタンですし、ボカロPVでも頻繁に見かけます(笑)

Cinema4Dに素材を読み込む

それでは、DLした素材をCinema4Dに読み込んでみましょう。

上手くいけば良いのですが、
3Dモデルの保存形式は色々と種類があり、Cinema4Dにすんなりと読み込めないものもあります。
一例ではありますが、読み込んで使える状態にするまでを少しだけ解説してみようと思います。

今回はOBJファイルを読み込んでみます。

あれ?なんか表示がおかしい!?
大丈夫です。

読み込んだ時に表示がおかしく見えるのは大概、
マテリアルに余計なチェックが入っていたり、テクスチャを見失っているからです。

OBJファイルで良くあるのは、「透過」のチェックが入っていることです。
なので、ファイルを開いたりマージの際に出てくるインポートウィンドウで
「透過を反転」のチェックを外すか、

または外さずにそのまま読み込んで、マテリアルの透過のチェックを全て外してみます

そうすると、オブジェクトが真っ黒になりました。

これはマテリアルに設定されていたテクスチャを見失っている状態です。
テクスチャを探して指定してあげましょう。

マテリアルのタグの「カラー」「アルファ」「反射」内の「スペキュラ」などを確認して、
Cinema4Dが見失っているテクスチャが無いか確認してみましょう。
大抵の場合、真っ黒なマテリアルはテクスチャを見失っている事が多いです。

※テクスチャに関しては前回(メイキング記事三回目)も参考にして下さい。
※「透過」が意図して設定されているマテリアルもあるのでご注意下さい。

テクスチャが無い部分が見つかったら、そのテクスチャがどこにあるか探して指定してあげます。

「…」をクリックすると、エクスプローラーが開きます。

探しているテクスチャがどこにあるか分からない場合は、
右上の検索ウィンドウにファイル名をコピーペーストしてエンターキーを押し、
目的のテクスチャが出てきたら右クリック→「ファイルの場所を開く」で
保存場所を表示させます。

ファイルが見つかったら「開く」をクリック。

次に表示される、「この画像は検索パスの中にありません」のウィンドウは
「はい」でも「いいえ」でもOKです。

※「はい」を選ぶと、読み込んだテクスチャが現在のプロジェクトを保存されている場所にもコピーされます。

これで、一部のテクスチャが読み込まれて屋根が表示されました!
上記を繰り返し、すべてのテクスチャの場所を指定してあげると、こうなりました。

必要なテクスチャは大抵まとまった場所にあるので、
一つがみつかれば他のテクスチャも同じ場所にある事が多いと思います。

レンダリングでエラーが出る!

ちゃんとテクスチャを指定したはずなのに
レンダリングしようとするとエラーが出る!
…という場合は、指定し忘れたテクスチャがあるという事です。

エラー内容にどのマテリアルのどのテクスチャなのか書かれているので、
参考にして探しましょう。

※ただ、DLや変換の過程でテクスチャに限らず、情報が壊れたり失われてしまうものもあります。

Cinema4Dに最初から入っているモデルを利用する

さて、実はCinema4Dにも最初からビルの素材は大量に入っています
こちらであれば、権利面では安心です。
(※学生、教員版のCinema4Dをご利用の場合は商用利用はできません)

画面右上の「コンテンツブラウザ」をクリックして、
「Visualize」→「3D Objects」→「Building」→「Cityscape」とフォルダを進むとビルの素材があります。

お使いのバージョンによって中身は違うのですが、
Studio版とVisualize版にはあると思います。
Prime版やBroadcast版ユーザーで「そんなの入ってない!」って方はごめんなさい。

さて、それらをダブルクリックするか、
オブジェクトマネージャーにドラッグアンドドロップするとプレビューに表示されます。

真っ白なビルですね。

そのままではちょっと…と思うかもしれませんが、
メイキング記事二回目でやった
選択範囲を作って色を付ける…というやり方で同じ様に簡単に好きな色がつけられます。

また、「コンテンツブラウザ」には多種多様なマテリアルもはいっているので、
試してみると面白いかもしれません。

適当に読み込んでライトなどつけてレンダリングしてみました。

「シューティングスター」のMVには「車」も並んでいます。
こちらも同様で、コンテンツブラウザ内にあります。

私は今回のMVではペタンとした単色塗りの表現を目指したので、
車に初期設定されているマテリアルの「反射」、「透過」、「アルファ」などは全てチェックを外したり
別のマテリアルに差し替えました。

こちらも詳細はメイキング記事の二回目と同じなので詳細は割愛させて頂きます、
二回目の記事はこちら

サイズと位置を整える

素材を色々読み込んでみると、サイズ感がまちまちな場合があります。そんな時はサイズ調整しましょう。

オブジェクトの「座標」の「S」はSizeの「S」です。このXYZの値を変えることでサイズの調整が出来ます。

オブジェクトのサイズを変更すると、
位置が合わなくなってオブジェクトが地面に埋もれてしまったり空中に浮いてしまったりすることがあります。

手動で調整しても良いのですが、便利な無償プラグインがあるので紹介します。

無償プラグイン「Drop To Floor」

文字通り、オブジェクトを「床に置く」為のプラグインです。
オブジェクトマネージャーでオブジェクトを選択した状態でこのプラグインを実行すると、
オブジェクトが地面ピッタリに配置されます。

ダウンロードは以下から。
https://www.c4dcafe.com/ipb/c4dplugins.html/drop-to-floor-v11-r50/
R20対応版はこちらから
http://alphapixel.net/drop-to-floor/
地味なプラグインですが、かなり使えます!

空を配置する

空をつけたい方は「床のアイコン」を長押ししてみましょう。
空のオブジェクトを追加できるウィンドウが現れます。

マテリアルに自作の空の素材を貼り付けてみました。

また、「フィジカルスカイ」を選ぶと、時刻や太陽の位置などをシミュレート出来ます

※新しいウィンドウで展開された場合は、元のプロジェクトに空オブジェクトをコピーペーストしましょう。

空のプリセットもコンテンツブラウザにあるので、そちらを使うのも良いと思います。

さて、これでやっと全てのオブジェクトが配置されました

※ちなみに私の場合はAeで光の演出を加えたりしたかったので、今回はCinema4Dでは空を付けませんでした。
動画をアルファにチェックを入れて連番PNGで書き出せば、空が透明なままAeに持っていけます。

この後はカメラの設定をしたり、
書き出してAeで光や色味の調整をしたり…と色々あるのですが、
より専門的な内容になってしまうので、
シューティングスターのメイキングはここまでにしたいと思います。

終わりに

最後は駆け足となってしまいましたが、
合計四回のメイキング記事、読んで頂けてどうもありがとうございました!

本気でメイキング記事を作ったのは今回が初めてでしたが、
普段拝見していたブロガーさん達が
分かりやすく伝えるのにどれだけ情熱を注いでいるか、ほんの少し分かった気がしました(笑)

Cinema4Dの記事は今後もちょくちょく書きたいので、よろしければまた見てやって下さいね!

→動画制作のご要望はこちらから!

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