続・C4Dの『ソフトボディダイナミクス』を使ってみる。
前回の、C4Dの『ソフトボディダイナミクス』を使ってみる。
の記事をツイートしたところ、
大変嬉しい事に、MaxonJapan公式様と、冨士俊雄様からアドバイスを頂けましたので、
そのアドバイスを元に追記させて頂く事にしました。
頂いたツイートがこちらです。
まとめますと、
「メッシュデフォーマ」を使いましょう!というお話でした。
「簡単なオブジェクトで計算をさせて、その動きを複雑なオブジェクトに移す」
という考え方だそうです。
複雑なオブジェクト(カボチャ)にソフトボディダイナミクスをつけるのではなく、
簡単なオブジェクト(球体など)を用意して、カボチャを囲むカゴ(cage)を作り
メッシュデフォーマを使うことで、
簡単なオブジェクトの変形を複雑なオブジェクト(カボチャ)に反映させる事が出来るのですね。
実際に試してみたところ、
重さを感じるような事は全く無く、快適にプレビューする事が出来ました!
最終的に出来た映像がこちらです。
とても面白いです!
早速解説を!…といっても受け売りなのですが(汗)、進めたいと思います。
■球体を読み込んで「cage」を作る。
まず、前回同様に「カボチャ」を読み込みます。
※前回説明した部分は省略しています。よろしければ前回の記事をご確認ください。
前回はオブジェクトを軽くする過程がありましたが、今回のやり方では不要となっています。
次に「球体」を読み込みます。
ざっくりとカボチャを囲むようにサイズ調整します。
球体の分割数を「16」、
タイプを「20面体」にします。
分割数は冨士様によれば「16で十分」との事でした。
20面体はこれでなくてはダメ!
ということではなく、「均等な方が良い」からとの事でした。
この球体が「cage」となります。
今回は球体が都合が良かっただけで、必ずしも球体である必要はありません。
立方体などを使う場合はXYZの分割数は4でも大丈夫そうな印象でした。
あまり分割数を多くすると爆発・変形が起きやすくなるのでご注意ください。
■cageの形をカボチャに合わせる。
ここから球体(cage)を変形させて、カボチャに合わせていきます。
まず、球体の表示がデフォルトのままだと中のカボチャが見えないので、
球体を右クリック→「CINEMA 4Dタグ」→「表示」をクリックして
表示タグをつけます。
球体に付いた「表示タグ」をクリックし、「タグの属性」の一番上の「使う」にチェックを入れて、
「表示モード」を「線」に変えます。
これで、中身が透けて見えるようになりました。
球体を編集可能にして、サイズを調整します。
私はX…32cm Y…28cm Z…35.177cmに、とりあえずしました。
今のままですと、カボチャのヘタの部分がはみ出してしまっているので
包み込むように調整します。
ポリゴンモードに切り替えて、
「ライブ選択ツール」でヘタの周囲のポリゴンを選択します。
オレンジの部分が選択済みという意味です。
「メッシュ」→「作成ツール」→「押し出し」をクリックして、
「押し出しツール」をctrlキーを押しながら使用します。※windowsの場合です。
上に向ってマウスを動かすと、ポリゴンが伸びていきます。
次に、
「メッシュ」→「変形ツール」→「法線に沿ってスケール」をクリックして、
ヘタの周囲のポリゴンの大きさを狭めていきます。
ぐるりと見回して、綺麗にカボチャが収まっていればOKです。
■メッシュデフォーマを読み込んで設定する。
「デフォーマ」→「メッシュ」をクリックして、メッシュデフォーマを配置します。
ここで球体の名前を分かりやすいように「cage」に変えておきます。
「メッシュデフォーマ」はオブジェクトマネージャ(UI右上のウィンドウの事)の
「カボチャ(Halloween Pumpkin)」の中に配置しておきます。
※デフォーマの基本ですが、単体オブジェクトにメッシュデフォーマをつけたい場合はオブジェクトの子にして下さい。
メッシュデフォーマの「オブジェクトの属性」内にある「ケージ」に
「cage」をドラッグ&ドロップします。
更に「初期化」をクリックします。
※これはカボチャを包み込んでいる現在位置を記録しておく必要があるからです。
「cage」にコンポジットタグが付けばOKです。
これから先、cageそのものはもう見えている意味がないので非表示にしておきます。
■前回と同様にソフトボディタグをつけて設定する。
「床」を配置して「衝突」タグをつけます。
「cage」に「ソフトボディ」タグをつけます。
「cage」の位置を床よりもある程度上に配置します。
ポリゴンモードのままになっている場合、cageの位置を変えられないのでモデルモードに戻します。
ソフトボディタグの「固さ」の値を10にします。
※これはあくまでこのカボチャの場合の設定です。
前回同様にプロジェクト設定を開きます。
「フレームあたりのステップ数」を40にします。
「ステップあたりのソルバーの最大くり返し数」を5にします。
これも、あくまでこの作例の場合の設定です。
プレビューしてみると、柔らかな表現がキチンと適用されています!
ここで終わっても良いのですが、せっかくなので冨士様の参考動画と同じ動きにしてみます。
■冨士さんの作例を参考にカボチャをつぶしてみる。
冨士さんの作例(リンク先は後述します)
を参考に、「立方体」をカボチャの上に配置してリジットボディタグをつけます。
これで、床に落ちたカボチャを立方体が更につぶす流れになります。
更に、
カボチャにつけたソフトボディタグをクリックして、
「ダイナミクスボディタグ」→「ソフトボディ」→「圧力」の値を調整します。
上から落ちた立方体にカボチャがつぶされるタイミングまでは「圧力」を0に。
そのすぐ後に400に。キーフレームを打って設定します。
これで立方体につぶされた後、カボチャが一気に膨らんで巨大化します。
ここまで進めますと冒頭の動画がほぼ完成となります。マテリアルやライトは任意で設定してください。
ちなみに、
冨士さんから頂いたツイートの動画リンクは
こちら→
MaxonJapan公式さんから頂いたツイートの動画リンクは
こちら→
です。
■まとめ
今回はアドバイスを頂けて本当に嬉しかったです!
今後とも、ブログやツイッターを通じてご意見を頂き、私自身も学んで行けたらと思います!
・2018年10月24日追記
この方法で、複雑なオブジェクトにもソフトボディダイナミクスを使える事が分かったので、
こんな動画を作ってみました。
細々と調整不足感はありますが、一気に可能な表現が広がったなあ~!と思います(笑)
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