Twinmotion2022.1.1でパストレーサーを使ってみる。
Twinmotionの2022.1.1を試したので、
忘備録代わりにブログ記事を書きました。
※Twinmotionの基本的な情報につきましては、記事の下の方にざっくりとまとめております。
□「パストレーサー」と「スカイドーム」を使ってみる。
Twinmotion2022はプレビュー版から使っていたのですが、
「スカイドーム」と「パストレーサー」という機能が付きました。
他にも「点群」など扱えるようになったのですが、今回は触れません。
・パストレーサーを使わずに明るさなどの調整をしたシーン
・パストレーサーを使った上で明るさなどの調整をしたシーン
同じモデルでも、だいぶ違って見えますね。
後者の絵からは、懐かしい「教室の空気感」みたいなものが伝わってくる気がします。
■書き出し時間とクオリティについてテスト
本来、Twinmotionは非常に高速に書き出しを行うことが出来ます。
しかし、新機能として付いた「パストレーサー」を併用した際には
書き出し時間(レンダリング時間)が結構発生します。
「パストレーサー」を使うというのは
Blenderで例えれば「Eevee」ではなく、「Cycles」を使う…という感じでしょうか。
複雑な計算に時間をかける代わりに、よりリアルな表現を可能とします。
今回は「パストレーサー」と「スカイドーム」を併用した際に
レンダリング時間がどれぐらいかかるのか?
を簡単なシーンで比較した、という記事です。
文字で書いても分かりづらいので、比較自体は動画をご覧ください。
もちろん、
プロジェクトの複雑さやPCのスペックによってレンダリングにかかる時間は変わってきます。
それを加味した上で、大体これぐらい差が出る…というのが伝われば幸いです。
また、2022.1でパストレーサーを使ってのレンダリングでエラーが出ていた人は、
2022.1.1で修正が入っているので確認してみてください。
■まとめ
・レンダラの設定を変える事で、充分実用的な速度で書き出して使う事が出来る。
・スピード重視であれば、AfterEffectsで「NeatVideo」などの使用を前提に
サンプル数「64」、最大バウンド数「8」などの低い設定でも用途次第で使える。
■その他 気付いた事(2022.1.1バージョン)
・パストレーサーがオンだと雨を降らせたり出来ない。
・パストレーサーがオンだとスカイドームがオフでも雲が表示されない。
パストレーサーオン、スカイドームがオフだと
時間を変更して朝→昼→夜といったアニメーションを作れるが、雲は表示出来ない。
晴天から曇天に変わる設定をしていても雲がひとつもない状態になる。
なのでパストレーサーを利用する際には合わせてスカイドームを使え、という事なのでしょう。
しかし、
スカイドームを使うと雲はアニメーションしないし、時間変更アニメーションも作れません。
例えば、朝のスカイドームと夕方のスカイドームを途中で切り替えても、パッと変わってしまいます。
なので、目的に合わせて使い方を変えていく必要がありそうです。
私の環境によるものや、勘違いもあるかもしれません。
もし、間違いがあればご指定頂けますと助かります。
※以下はTwinmotionの基本的な情報となります。
■Twinmotionとは?
ビジュアライゼーション…つまり建築や建設関係に特化した3DCGソフトです。
モデリングは出来ませんが、建築関係のデータの他にFBX、SKP、OBJなどのファイル形式に加えて
C4D(Cinema4Dのプロジェクトファイル)形式を読み込むことが出来ます。
なので、Cinema4D(C4D)ユーザーからすると
リアルタイム表示可能なレンダラー的に利用することも出来ます。
※アニメーション付きのデータは持ってこれません。
樹木や草花、岩、小物やアニメーションの付けられた人物、海などがアセットとして含まれているので
組み合わせることで簡単に背景を用意することが出来、
天候や時間帯を変えることも可能です。
■C4Dユーザーにとっての具体的な使い道は?
例として、
ドラゴンボールに登場する「カメハウス」をCinema4Dで作ったとします。
これをアニメのように
海に囲まれた小さな島にヤシの木があって…という状況を作るだけならば
Cinema4Dでも簡単ですが、
朝→昼→夕方→夜という時間経過や
夏→秋→冬といった季節の変化、
雨が降ったり、雪が降ったり、ヤシの木を揺らしたり成長させたり、
家自体を水没させたり…というのは少し知識が必要な作業になってきます。
更に、その描写をリアルタイムで確認しながら操作したい!となると
C4Dでは外部レンダラーが必要になってきます。
Twinmotionではそういったことが簡単に行えます。
■Twinmotionの入手方法と価格
体験版をインストールすれば誰でも使えます。
こちら
手順としては
①Epicアカウントを作る。
②Epic Games Launcherをインストールする。
③Epic Games Launcherにログインする。
④Twinmotionの体験版をインストールする。
という流れになります。この体験版の良いところは制限が厳しくないというところです。
・書き出しサイズがフルHDサイズまで
・商用利用禁止
だけです。
ちなみに、商用ライセンスは59400円。
買い切りの永久ライセンスなことを考えますと安価な方だと思います。
(元々は30万円程度で販売されていたソフトです)
また、長い間無償で配布されていた
「Twinmotion 2019(Epic 版)」を入手していた人であれば
最新バージョン(記事作成時点で2022.1.1)まで無償でアップデートして商用利用できます。
■Unreal Engineを使えばいいのでは?
そうですね。
何でも出来る「Unreal Engine」とビジュアライゼーションに特化した「Twinmotion」を比べると
「Twinmotion」は少し物足りなく感じるかもしれません。
ただ、Unreal Engineは出来ることが多い分、覚えたり学習することも膨大なのに対して
Twinmotionは基本的な機能は1日、全体的な機能も1週間使えば大体理解出来ると思います。
逆に言えば、それだけ出来る事が限定されているわけですが、
「Twinmotionで十分」というシーンも多いと思います。
体験版が大きな制限もなくずっと利用できる上に、
素材も大量に用意されているので、興味があれば試してみるのをお勧めします。
この記事がどなたかの参考になれば幸いです。