ClipStudioPaintの自動彩色機能を使ってみる。
ClipStudioPaintバージョン1.8.4の
「自動彩色機能」を使ってみました。
…といっても現在この機能は「先行プレビュー版」なので
正式版だともっとよくなるのかも!?しれません。
■最初に
今回は作例用にCinema4Dから書き出した背景線画を使いました。
3Dモデルをレンダリングした画像になります。
今はもう、パソコンが自動で線画を作って自動で着色してくれるんですね…
すごいっ!…けど怖い!(笑)
ちなみに、Cinama4Dを使った線画書き出しの方法は
こちら→
で解説しています。
■「自動彩色機能」の基本的な使い方
画面右下のレイヤーを扱うウィンドウをご覧下さい。
まず、
「線画」
「色」
「真っ白に塗りつぶしたレイヤー」(デフォルトの用紙)
の三つのレイヤー構成にします。
線画は線画、色は色でそれぞれ一つのレイヤーにまとめておきましょう。
色レイヤーにはザックリと指定用の色を塗ってあります。
線画を選択したまま、灯台の様なアイコンをクリックして
「参照レイヤーに設定」します。
「色」のレイヤーを選択した状態で、
画面左上の「編集」→「自動彩色」→「ヒント画像を使って彩色」をクリックします。
指定した色を参考に、自動彩色が行われます。
私の環境ではほとんど待ち時間がなく、パッと色が付きました。
ちなみに、ネット接続がないと使えません。
■各モードの違い
・全自動彩色…線画のみから自動着色します。
・ヒント画像を使って彩色…前述のものです。
・より高度な設定を使用…「色分解して彩色する」機能と「ヒントのない領域も彩色する」の
パラメーターやグラフを調整して彩色設定します。
「全自動彩色」は、やはり理想通りに彩色してもらうのは難しい印象です。
「より高度な設定を使用」は10色までの色をグラフで設定したり、
ぼかし強度や精度、主線除去など値を打ち込んで反映させることが出来ますが、
少々動作が重い印象です。
個人的には「ヒント画像を使って彩色」を使って、
そのあとで自分で調整するのが効率が良いと感じました。
■「自動彩色機能」で出来た色レイヤーを調整する。
「自動彩色機能」で出来た色は若干くすんでいたり、淡かったりします。
現状が理想通りの色味であればそれでよいのですが、私は自分の好みに合わせて調整しました。
簡単ではありますが、ここでは「ヒント画像を使って彩色」した色の調整をやってみます。
書き出された「色」レイヤーを複製して、3つ同じレイヤーを重ねた状態にします。
上から
・線画
・色3(オーバーレイ)
・色2(乗算)
・色1(通常)
といった具合です。
色123のレイヤーのモードを上記の様に変えて、
各レイヤーの不透明度を調整します。
「乗算のレイヤー」で全体の濃さを、
「オーバーレイ」のレイヤーで明暗の強弱を付けます。
結果、こんな感じになりました。
■線画の不透明度を下げてみる
更に、線画の不透明度を下げてみます。
彩色のクオリティが結構高いのが分かると思います。
このまま絵本とかにも使えるかも!?
…というわけで、ちょっと適当な文字を打ってみました(笑)
■人物や文字に使ってみる
次は人物と文字に使ってみました。
ちなみにこのキャラクターは
「はじめてのCinema4D 改定第2版」という、3Dソフト解説本の
キャラクターモデリングの章に登場する女の子です。
ありがたい事にキャラクターデザインを担当させて頂きました!
今回はこの線画を使って試してみようと思います。
最初に「ヒント画像を使って彩色」で出来たものがこちら。
全体的に淡いですね。
また、いくつか問題があります。
・腰と左腕の間の空間にも色を塗られてしまっている。
・人物や文字の周りに色がはみ出ている。
・肌色と白目の境界が曖昧になっている。
・首元が衣装の色と混ざってしまっている。
不要な部分は消し、違和感のある部分は塗り足して直します。
更に、背景でも行った「調整」を施したものがこちらです。
わりといい感じになったのではないでしょうか?
もう一歩進めてみましょう。
線画レイヤーを右クリックして
「レイヤーから選択範囲」を選び、
塗りつぶしで茶色の線画にします。
茶色の線画の不透明度を下げたりすると
自動彩色機能の淡い雰囲気とマッチするかもしれません。
■まとめ
いかがでしたでしょうか?
「自動彩色機能」は、ClipStudioPaintだけの機能ではなく、
ネット上には他のサービスもあります。
結果はサービスごとに変わるので、
興味のある方は調べて試してみると良いと思います。
しかし…これからどうなっちゃうんでしょうね。
広告関係のお仕事は「彩色専門スタッフ」がいたりもするのですが、
この機能が進化していくと、遠くない未来
「自動彩色したものを調整するスタッフ」が求められるようになる気もします。
いつかは
「AIがクリエイターを補助する」というより、
「クリエイターがAIの補助をする」という構図に
なっていってしまう…のかもしれません。
どなたかの参考になりましたら、嬉しいです。
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