自動作曲ソフト「OrbComposer」を使ってみる。
人工知能による自動作曲ソフト…と、
一部で話題になった
「OrbComposer」というソフトを早速使ってみました。
現在、デモ版がこちらからダウンロード出来ます。
https://www.orb-composer.com/
作曲家目線の詳しいレビューはきっと有名DTMerの方々がやってくれるので、
私はアマチュアDTMerなりの、触ってみた雑感を書きたいと思います(笑)
■自動作曲ソフトってどんなものがあるの?
「自動作曲機能」があるソフト…というと、実は結構昔からあります。
もっとも有名なのは「BAND IN A BOX(以下BIAB)」でしょうか。
通称「猫ボタン」と呼ばれています。
このソフトは1クリックで勝手に曲を作ってくれるのですが、通称は
「猫が誤ってボタンを踏んでしまった際に、偶然良い曲が出来たから…」
というのが由来みたいです(笑)
ジャズやクラシックよりの曲に強いのですが、
ポップスとかダンスミュージック系統は厳しいと言う感じです。
だいぶ昔に自作の映像に使う目的で
「BAND IN A BOX」を用いて作ったBGMがあるので、
良ければ聴いてみてください。
この頃は、「マスタリングってなに?」っていうぐらい
DTMの知識が無かったので、音が小さいですが…。
※上記はBIABが出力した曲そのままではありません。
音源はNative Instruments社のKOMPLETEなどを使っていますし、
DAW側で結構アレンジもしています。
個人的にはBGM制作としてはそれなりに使えるなあ…というのが私の感想です。
1クリックで自動作曲させる以外にも、
コード進行を指定しての自動作曲や様々な条件指定が出来ます。
一応DAWソフトも同梱されているので、初心者でも作曲を楽しむ事ができるソフトですね。
楽器の練習に、マイナスワンのオケを作って使う…という人もいるそうです。
他にも、「Music Maker 2018 Premium Edition」などでも自動作曲が可能みたいです。
こちらは私は試した事がありません。
何年も前のソフトでも、このくらいは出来る…という事が分かって貰えれば幸いです。
■「OrbComposer」は何が違うの?
「OrbComposer」は「人工知能による自動作曲」という点で、話題になっています。
ただ軽く触ったところ、今の時点ではそういった要素は不明ですね…。
自動作曲ソフトは簡単操作ゆえに、
「誰が作っても同じような印象の作品になってしまいやすい」というのが
弱点だと思うので、「OrbComposer」はその辺が改善されていくならば面白いのですが。
■良いところと悪いところ
まだ半日触った程度ですが、簡単にレビューしてみようと思います。
□良い部分
・操作がわりと分かりやすい
まだ操作が分からない部分もありますが、直感的なUIに出来ている印象です。
実際説明を見ないままに一曲作るところまでいけました(笑)
・イントロからアウトロまでシーンごとに細かくカスタマイズして自動作曲してくれる。
2小節ごとに自動作曲可能で、シーンを追加して作曲していきます。
・MIDI書き出しして、DAWに簡単に持っていける。
パートごとに書き出してくれるのでDAWで編集しやすいです。
・曲の叩き台を作ったり、アイデア出しの道具としてはなかなか使えそう。
今まであまり使ってこなかった音源を当てたりすると、思わぬ効果や発見があって楽しい!です。
音源資産が生かせそうな気もします。
・インストールサイズが小さい。
私のDTM用PCはCドライブの残り容量が少ないので助かります(笑)
□悪い部分
・落ちる、不安定。
まだリリースしたばかりなので仕方ないですね。
私はCubase Artist8と一緒に使っていますが、
「OrbComposer」を操作していると、何かの拍子にCubaseが非常に重くなって、
再起動を余儀なくされることが頻繁にありました。
・価格が非常に高い
下位版(アーティスト)が349ユーロ、上位版(プロ)が649ユーロです。
日本円にすると、2018年4月4日時点で
下位版…約45000円 上位版…約85000円です。
正直、この値段を出すなら他に当てたい…と言う人も多いと思います。
■総括
個人的には、無理して買う必要はないかなあ…という感じです。
特に下位版は使える拍子が4/4拍子のみ、コードもメジャー&マイナーのみです。
「オーケストラ」と「ストリングス」の自動作曲機能も使えませんので、
「OrbComposer」の得意そうな部分がだいぶ活かせない気がします。
音楽だけでご飯が食べられる人や、
音楽素材サイトにどんどん投稿して販売している人は
8万円以上出してプロ版を買っても元が取れるかもしれませんが、
私みたいに趣味や映像制作用のBGMとして使いたい…という人だと、
費やした額を回収するのは大変かもしれません。
それに、この手のソフトは今後どんどんリリースされる気がします。
DTM業界では有名なプラグインメーカーの「izotope社」は
「Neutron2」で自動ミックス機能、
「Ozone8」で自動マスタリング機能を一応実現しています。
なので、時間の問題じゃないかな?と思っています。
「OrbComposer」のメーカー
「Hexachord」社は、メールで質問すると迅速に返事をくれたりと個人的には好印象なのですが、
4月2日リリースのカウントダウンでカウントが0になってもそのままサイトを放置し
半日後にやっとリリースされたのもあって、今後のサポートに若干の不安も残ります…。
※追記(2018年4月5日)
メーカーHPの「リソース」のページに各DAW用のテンプレートがあるのですが、
私の使っているCubase Artist8だとエラーが出てしまって使えませんでした。
サポートに問い合わせたところCubase Artist用のテンプレートを送ってくれまして、
現在そちらでは無事使えています。同じ環境の方がいましたらサポートに連絡してみると良いかもしれません。
■OrbComposerで作ってみた曲
さて、最後に一応「OrbComposer」を用いてリリース直後に私が練習で作った曲を載せたいと思います(汗)
OrbExperiment002(2018年4月5日追加)こちらは少し理解が進んで作ったものです。
OrbExperiment001(2018年4月4日)こちらは最初に手探りで作ったものです。
Maschineで作った曲もいくつかクレオフーガに投稿していますので、よければ聴いてやってくださいませ!
それではまた!
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