Neat Videoを使ってみる。
前回は
「実写映像をイラスト風アニメーション」に加工する
という記事を書きました。
今回は、その続き…ではあるのですが
映像全般に関係している、「ノイズ」や「フリッカー」についてのお話です。
■動画ならではの問題
前回の記事で
「映像のイラスト風加工の流れ」を解説しましたが、
動画ならではの問題が一つあります。
前回の作例ではあまり目立ちませんでしたが、
この動画を見てもらうと、実写映像からの加工後に
多くの箇所にノイズが発生しているのが分かると思います。
せっかくイラスト風に加工しても、
これでは作品に用いるのは厳しそうです。
■何故ノイズが出るの?
加工によって何故、こういったものが発生するのか…簡単にいえば、
「色調補正をすればするほど、デジタル画像や映像は劣化していく」からでしょうか。
イラスト風の加工自体、
コントラストや彩度などを変えて、画像や映像を意図的に劣化させる作業…とも言えるので、
ノイズ対策はセットのようなものかもしれません。
この記事では、
動いた時に意図せず画面のどこかで発生する
「チラチラ」、「チカチカ」、「パカパカ」と
線や色が暴れる現象をまとめて「ノイズ」と呼ぶことにします。
さて、このノイズを抑えるにはどうすれば良いのでしょうか?
そう考えて私が購入したのが
AfterEffects用の「Neat Video」というプラグインです。
■Neat Videoってなに?
翻訳すると「きちんとしたビデオ」です。
Neat Videoは、
映像制作者の中では人気のあるプラグインで、
ノイズやフリッカー除去に使われます。
AfterEffects版以外にも、
様々なホストアプリに対応したバージョンが売られています。
Ae版は「Pro版」と「通常版」がありますが、
お仕事で使うならPro版一択、
趣味でも広告収入の発生するyoutubeなどに投稿する場合は
Pro版ライセンスを買っておいた方が間違いないでしょう。
・国内代理店(Pro版のみ販売)
https://flashbackj.com/product/neat-video-pro
18700円
・海外本家
https://www.neatvideo.com/
通常版$74.90(約8014円)
Pro版$129.90(約13899円)
※ドル円は2019年10月4日時点で計算
・通常版には以下の制限があります
最大フィルターフレームサイズが1920×1080に限定
商用利用ライセンスなし
2つ以上のGPUを同時に使用する機能なし
■効果の程は?
簡単な検証動画を作ってみました。
※ご注意! Youtubeの再生画面サイズや解像度が低いと差が分かりづらいので、出来れば大きな画面で確認してください。
・歯車の動画
Cinema4Dのsketch&toon機能で発生した線のちらつきです。
前半がNeat Video無し、後半が有りです。
完璧ではありませんが効果が出ています。
・線画抽出した動画
前回の記事で扱った、
実写映像を線画抽出したものです。
こちらも同様にNeat Video有りと無しで効果が出ています。
・ラピュタもどきの動画
こちらもCinema4Dで作った動画です。
そのままでは「建物の黄色の部分」や、「下の半球部分」などが
動きながらチラついていますが、
Neat Video適用後にはある程度抑える事ができています。
※再生ウィンドウのサイズが小さいと「有り」の方もちらついて見える可能性がございます。
・空撮(イラスト風加工)動画
フリッカー(画面全体の明滅)の除去具合が分かります。
Neat Video無しのものは時折、画面全体がチラチラ光りますが、
Neat Video有りのものはそれが目立たなくなっております。
この4つの例では、
Neat Videoの効果が発揮されたと言えそうです。
■冒頭の動画に使ってみる
さて、冒頭の動画にも使ってみましょう。
結果は…
おお、見事にノイズは目立たなくなりましたね!
素晴らしい!なんという神プラグイン!
…となれば良いのですが、残念ながらそう上手くはいきません。
全体的なノイズは大きく抑えられましたが、
走っている車を見てみると、副作用?が出ているのが分かります。
上の画像は左が適用前で右が適用後ですが、
適用後には車の前後にブラー…残像のようなものが入っています。
高速で動いている車程、強く残像が出ている印象ですね。
Neat Videoによるノイズ除去の一つの特徴なのかもしれません。
この残像を減らすには
パラメーターを操作すれば良いのですが、そうするとノイズもまた現れはじめます。
つまり、
ノイズ除去と残像とのバランスを考慮して、落とし所を見つける必要がありそうです。
(現状、私の理解が足りないだけかもしれませんが)
■最終的にどうなったの?
…で、冒頭の動画は試行錯誤の末、最終的にはこんな感じに落ち着きました。
ひとまずはこれでOKとします(笑)
プラグインの具体的な使い方などは、もう少し理解が進んだら改めて記事したいと思います。
どなたかの参考になりましたら幸いです!
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